2024年11月から新しく「フリーランス法」が施行されることをご存知でしょうか?
この法律は、フリーランスで働くすべての人の権利を守るための法律です。
今回は、特に初めてフリーランスになる方や、動画編集の仕事をしている方向けに、分かりやすく解説していきます。
目次
- フリーランス法って何?
- なぜ今フリーランス法が必要なの?
- 誰が対象になるの?
- 具体的に何が変わるの?
- 違反があった場合どうなるの?
- よくある疑問と回答
1. フリーランス法って何?
正式名称と概要
フリーランス事業者取引適正化法(通称:フリーランス法)は、フリーランスの方々が安心して働ける環境を作るための法律です。
主な目的
- フリーランスの権利保護
- 適正な取引環境の整備
- トラブル防止と解決の仕組み作り
2. なぜ今フリーランス法が必要なの?
増加する問題
フリーランスに関するトラブルが急増しています:
- 令和2年度:1,332件
- 令和4年度:6,884件(約5倍に増加)
出展元:フリーランス・トラブル110番 参考資料集より
よくあるトラブル事例
- 報酬関連
- 「支払いが遅れる」
- 「約束した金額より少なく支払われた」
- 「理由なく値下げを要求された」
- 仕事内容関連
- 「契約時と作業内容が違う」
- 「際限なく修正を求められる」
- 「突然キャンセルされた」
- その他
- 「関係ない商品の購入を強要された」
- 「ハラスメントを受けた」
3. 誰が対象になるの?
フリーランス側(受注者)
- 個人で仕事をしている人
- 従業員を雇っていない個人事業主
- 1人で会社を運営している人
発注者側(仕事を依頼する側)
4. 具体的に何が変わるの?
その1:必ず契約書を作る
仕事の依頼時に必ず明記が必要な9項目:
- 依頼する会社の名前
- いつ仕事を依頼したか
- どんな仕事をするか
- いつまでに納品するか
- どうやって納品するか
- どうやってチェックするか
- 報酬はいくらか
- いつお金を支払うか
- どうやってお金を支払うか
※LINEやメールでの約束でもOK!
その2:支払いのルール
- 納品から60日以内に支払う必要があります
- できるだけ早く支払うことが推奨されています
その3:禁止される行為
特に1ヶ月以上続く仕事では以下が禁止されます:
- 理由なく仕事を受け取らない
- 一方的にキャンセルする
- 突然料金を下げる
- 極端に安い報酬を設定する
- 関係ない商品やサービスの購入を強制する
5. 違反があった場合どうなるの?
発注事業者がルールに違反すると、行政による調査が行われます。
最初は指導や助言といった軽い処分からスタートしますが、改善が見られない場合は段階的に処分が厳しくなっていきます。
具体的には、勧告を受け、それでも従わない場合は行政命令と企業名の公表、さらに命令にも従わない場合は罰金が科されることになります。
違反をしていると思われる時の対応の流れ
- フリーランスが行政機関に相談
- 行政が調査を実施
- 問題がある場合は指導
- 改善されない場合は営業停止など
- 最大50万円の罰金
6. よくある疑問と回答
法律なので、文章が難しかったりする部分のありますので、公式のHPより動画編集部分にとっかした疑問、質問をまとめております。
Q1: 個人間の取引は対象?
A: 企業とフリーランス間の取引が主な対象です。個人間の取引は基本的に対象外です。
個人間:個人事業主、フリーランス、自営業者
Q2: 実績作りの無料仕事は禁止?
A: 初心者の動画編集者によくある事柄ですが、事前に合意がある場合は問題ない。
ただし、仕事開始後の一方的な値下げは禁止とされています。
開始前にクライアントと話し合い、契約内容を取り決めることが必要です。
Q3: 修正回数は決める必要がある?
A: はい。検収方法の一環として、修正回数を事前に決めておくことが推奨されます。
動画編集は修正もよくある事です。何度も修正が重なることで、時間が奪われてしまいます。
仕事開始前に修正回数を何回まで対応し、指定回数以上は費用を請求するなどの取り決めを行うことが大切です。
※出展元:公正取引員会HPより
まとめ
働き方が多様化し、フリーランスとして働き始める方々も多くなってきました。
そのため、トラブルも多くなってきた昨今、トラブルを解決するためには法の整備が必須でした。
今回のフリーランス法は、フリーランスで働く人々を守るための大切な法律です。
この法律により:
- 取引条件が明確になる
- 不当な要求から守られる
- トラブルが起きた時の対処方法が整備される
フリーランスとして働く際は、これらの権利をしっかり理解し、必要な場合は適切に主張することが大切です。